安宅の音楽日記

タグ:J.S.バッハ

イル・ジャルディーノ・アルモニコのコンサート・マスターとして有名なエンリコ・オノフリのソロ・アルバム。冒頭を飾るのは、大バッハの名曲トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565。そのヴァイオリン独奏編曲版。編曲者はオノフリ自身。自作自演ならぬ自編自演です。

最初の鋭く冷たいヴァイオリンの響きから鳥肌が立ちます。メイン・メロディーは崩すことなく、力強く弾かれます。フーガに入っては不思議なことに対位法のメロディーが聴こえてきます。見事な編曲と技術です。

この CD は、とあるお宅にオーディオ訪問した際に聴かせてもらいました。めくるめくファンタスティックな演奏に虜となり、私も買ってしまった次第です。ちょっと音量を大きめにして聴くと、楽しいですよ。

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エドゥアルド・メルクスと Spiros Rantos がヴァイオリンを弾く J. S. バッハの 2 つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV. 1043 を聴きます。1971 年の録音。

メルクスのヴァイオリンは線が細く、それでいてオーケストラの中から浮かび上がるように聴こえます。バックを支えるオーケストラはフル・オーケストラではないのでしょうか? 音に厚みがない代わりに、とてもキビキビとした演奏を聴かせてくれます。バッハの音楽を聴くのに最適なバランスです。

Rantos のヴァイオリンが少しメルクスの陰に隠れてしまっています。二つのヴァイオリンのかけ合いを楽しもうとすると、不満が残るかもしれません。逆に、メルクスのヴァイオリンを聴くのが楽しみだ、と思って聴くと非常に楽しめる演奏です。

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J. S. バッハの無伴奏ヴァイオリン ソナタとパルティータをオレグ・カガンの演奏で聴きます。

カガンは晩年のリヒテルに相手役として選ばれたヴァイオリニストです。若い頃の演奏には昔のリヒテルを彷彿とさせるようなパッションがあり、リヒテルが好んだのも分かる気がします。残念なことに、カガンは 1990 年、癌で世を去ります。43 歳でした。

この CD は 1989 年 4 月。死の一年前にライブ録音した演奏です。ライブですから、瑕もあります。カガンの演奏に、ミルシテインのような完璧さや、シェリングのような精神性、ファウストのようなバッハ観を覆す力はありません。それでは何を聴くのか。

死を目前にして聴衆の前に立つ鬼々迫る演奏を聴くのです。何度も繰り返し聴き直せるレコード (記録) ではなく、たった一度のライブとして聴くのです。ささいな演奏上のミスなど気にならなくなった時、カガンの慟哭の様なバッハへの想いが伝わってくるでしょう。

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J. S. バッハのヴァイオリン協奏曲 BWV.1041 を聴きます。

ユーディ・メニューインのヴァイオリン、ジョルジュ・エネスコ指揮パリ交響楽団。録音は 1936 年。弦楽曲を集めた 10 枚組ボックス Masters of the Strings から 1 枚目です。

何故、この演奏を取り上げたのかというと、私がバッハのヴァイオリン協奏曲 BWV.1041 の良さを知ったのがこのメニューインとエネスコの演奏だったからです。

周りを見渡せば優秀録音でステレオで才器溢れる新人から枯れた藝を持つベテランまで選り取り見取り。あえてメニューインらの演奏にひかれたのは、メニューインの稀有な才能と時代を越える音楽性だと思います。ヴァイオリンの端からほとばしる悲しみにと無情感。BWV.1041 は聴くと悲しいから聴かない、という声もあったりしますが、本当に悲しさを前面に出して演奏するメニューインにひかれたのです。もしかすると、前時代的な演奏と言われるかもしれません。でも、そんなことが音楽を好きになるきっかけを無くしてしまったら勿体無いではないですか! そんなわけで、古いスタイルかもしれませんがメニューインらの演奏を取り上げてみました。

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おやぢの部屋2さんの記事「BACH/The Passions etc. : おやぢの部屋2」を読んでヴェルナー指揮による J. S. バッハのマタイ受難曲を聴いています。

気にもかけていなかった CD (失礼!) に興味を持たせてくれる。これぞ、音楽ブログの醍醐味ですね。さて、このヴェルナー指揮のマタイ受難曲のポイントを 3 つ挙げてみましょう。

  • ステレオ録音; 1958/1 録音のロ短調ミサはモノラルだったのに、1958/10 の当録音はステレオ
  • 録音技師はアンドレ・シャルラン; 録音技師としてはもはや伝説の域に達したシャルラン。彼がヴェルナーの録音をしたのは、唯一マタイのみ。
  • フルートをランパルとラリュー、コール・アングレ (アルト・オーボエ) をピエール・ピエルロとジャック・シャンボンが担うという超豪華配役!!

今も、ヴェルナー指揮のマタイを聴きながらこのエントリーを書いているのですが、音は柔らかく、大らかな演奏で、桃源境を見る思いです。私におやぢの部屋さんほどの文章力がないのが悲しいです。

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