安宅の音楽日記

タグ:交響曲

アルトゥーロ・トスカニーニが 1939 年に集中的に録音したベートーヴェンの交響曲全集から第 1 番を聴きます。オーケストラは NBC 交響楽団。

私はトスカニーニのベートーヴェンの交響曲第 1 番が好きです。スパッ、スパッと切り込む演奏が何とも小気味良い。この CD は 1939 年に録音された物としては、良質な音楽を聴かせてくれます。それが、録音のおかげなのか、リマスタリングのおかげなのかは分かりませんが、トスカニーニの「推進力」を損っていないことだけは確かです (ステレオ録音ではなくモノラル録音なのはどうしようもありませんが)。音楽性だけなら、1950 年代の RCA レーベルでの全集よりも高いかもしれません。

機会があれば 1939 年録音と 1950 年代録音の二つのベートーヴェン交響曲全集を聴き比べてみたいものです。

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メンデルスゾーンの交響曲 第3番 スコットランド。クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団、1967 年 2 月の録音です。レーベルはデッカ。アバドの追悼にちなんで、私が一番好きなアバドの演奏を聴きました。

アバドに後にドイツ・グラモフォンにメンデルスゾーンの交響曲全集を録音しています。好みは甲乙つけがたいところですが、思い入れの深さで旧盤のデッカ盤を聴きます。

メンデルスゾーンのスコットランド。3 番となっていますが、これは発表順で番号を付けたためで、作曲順からすると 5 番目。メンデルスゾーン最後の交響曲です。美しく牧歌的な第一楽章から始まり、第四楽章の盛り上がりまで、メンデルスゾーンの魅力がふんだんに盛り込まれた作品です。

アバドとロンドン交響楽団はこの曲を、美しく鳴らしすぎず、さりとて盛り上げすぎずに演奏します。中庸な演奏かもしれません。ベルリン・フィルのような完成度の高さはありません。各楽器が自由に楽しく歌い、合奏は一部荒々しく揃っていません。書いていて特出した良さがないように思えてきました。

それでも、私が一番好きなアバドの演奏はこのスコットランドなのです。中庸ながら音楽の本質を掴んでいる演奏。それを指揮者とオーケストラが一体になって体現している。その音楽性が私とちょうどマッチしているのでしょう。

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モーツァルトの交響曲 第40番をカール・ベーム指揮ベルリン・フィルの演奏で聴きます。

ベームによるモーツァルトの交響曲全集 (10 枚組) からの 1 枚です。私が初めてこのボックスを聴かせてもらった時、定価は一万円を越えていました。いつか、一万円を切る時がきたら買おうと心に決めて、そして一万円を切った時に買いました。それほど覚悟のいった買い物でしたが、今では Amazon で 6,533 円という値段がついているのですから信じられません。良い時代になったものです。

ベームの第40番は遅いテンポで始まります。古い指揮者だとワルターやクレンペラーが遅く指揮するものですが、むしろワルターなどは早いテンポで有名な旋律を駈け抜けます。ワルターの演奏や最近の演奏を聴くと、ベームの方が異端に思えてしまいます。初めて聴いた時のセンチメントな気分に戻ってしまっているのかもしれません。でも、あの第40番の美しいメロディー・ラインをゆっくりと歌い上げる演奏は私の心を大きく揺さぶります。アレグロで通りすぎるには美しすぎるモーツァルトのメロディー。それを味わいつくすように奏でるベームの演奏が好きです。

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コレッリのクリスマス協奏曲を聴こうとしてこの CD を手に取ったのですが、一曲目に入っていたスキアッシのクリスマス協奏曲がなかなかのものだったので、急遽予定を変更しました。

ガエターノ・マリア・スキアッシ (1698-1754)。イタリアの作曲家。バッハが 1685 年生まれですから、バッハより 10 年後の時代を生きた人となります。といっても、バッハはドイツ、スキアッシはイタリアですから当然音楽界の状況も違ったことでしょう。

スキアッシのクリスマス交響曲は 4 楽章、約 7 分の作品です。交響曲とは名ばかりに演奏時間は 10 分を切ります。モーツァルトの初期に、まだ「交響曲」は「序曲」と区別のついていませんでした。バッハ時代ではなおさらのことでしょう。

指揮者は Jürgen Geise、オーケストラは Cis Collegium Mozarteum Salzburg。

スキアッシのクリスマス交響曲は楽しい音楽です。第一楽章はおさえめに入ります。第二楽章はアレグロで、魅力的なメロディーが繰り返されます。カノンとかフーガが流行した時代ではありますが、そこまでちゃんとした形式ではないようです。しかし、弦楽器のかけあいは楽しいもので十分楽しめます。第三楽章は一転してラルゴ。ハープシコードの調べかな? 落ちついた通奏低音に弦がアクセントを付けています。第四楽章は曲をしめるべく華やかな宮廷風な音楽が流れます。

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1992 年度グラモフォン・アワードを受賞したアーノンクールのベートーヴェン交響曲全集。この全集の白眉は第 1 番と第 6 番「田園」だと思うのですが、今回は第 1 番をチョイスします。オーケストラはヨーロッパ室内管弦楽団。

アーノンクールの振るベートーヴェンの交響曲第 1 番は、適当な緊張感が張られており、思わず音楽に引き込まれます。アーノンクールと「やりすぎてしまう」指揮者というイメージが強いのですが、ここではベートーヴェンの音楽をまとめ上げることに精力を費しているようで、小編成の響きの中から精度の高い合奏を聴かせてくれます。

フルトヴェングラーやトスカニーニ、カラヤンの様な大編成の魅力よりも、古楽的な小編成の響きと緊張感を楽しむ出来に仕上がっていると思います。特に第 1 番は、ベートーヴェンの交響曲の中でも大編成を要求しない作品ですから相性が良いのでしょう。

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