ファンタジーが好きな私はデュカスの「魔法使いの弟子」という曲名にひかれて、何度か曲を聴いていました。しかし、どうにも好きになれませんでした。

そんな時、映画館で観た「ハリー・ポッターと賢者の石」のホグワーツ校にハッと閃かされました。私が理想としていた「魔法使いの弟子」とは一流の魔法使いに弟子入りした「魔法使い」だったのです。イメージとしては、ガンダルフに魔法を教わるエルフという感じでしょうか。しかし、この曲はもっと幼い「魔法使いの弟子」をイメージしていたのですね。それこそ、ホグワーツ校でわんぱくしている魔法使いの卵たちのように。それを、思いついたとたん、この曲が面白くなりました。

当時は、コンスタンティン・シルヴェストリの指揮するボックス (現在、廃盤?) でしかこの曲を持っていなかったので、何度となく繰り返し聴きました。魔法使いの弟子がヘマをして、どんどんと収拾がつかなくなっていく様子が目に浮かぶようでした。イメージの持ち方一つで、曲の楽しさが反転する。そんなこともあると、「魔法使いの弟子」は教えてくれました。