安宅の音楽日記

タグ:ギーゼキング

シューマンのピアノ曲集「森の情景」を聴きます。演奏はギーゼキングです。CD 盤は廃盤のようで、値がつり上がっていたので、MP3 版を貼っておきます。

シューマンのピアノ曲の中ではあまり知られていない方でしょうか。今日、むしょうに聴きたくなったので愛聴盤であるギーゼキングの CD を取り出して聴いています。

音楽としては「子供の情景」のような明るさと「クライスレリアーナ」にある一種の狂気がわずかに垣間見える中に、熟年してより深い描写が込められた作品と言えるでしょう。聴く分には技術的に難しい曲には思えないのですが、シンプルさゆえに描写力が問われる難曲だと感じます。

ギーゼキングのこの CD は 1951 年の放送録音です。モノラルで少し音を外しているところもあります。今ならもっと良い録音の CD も、キズのない演奏もあるでしょう。しかし、こういうシンプルにして深い曲こそギーゼキングが得意とするところです。多少の演奏ミスなど気にしていられましょうか。特に前半の「ドイツの森」を思わせる演奏描写には今のピアニストにはない味があります。

ギーゼキング盤はファースト・チョイスにはお勧めできません。録音が良く、演奏の上手い CD を聴いて、もう一つ遊んでみたい、という方。どうぞ。

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ギーゼキングの弾くベートーヴェンのエリーゼのためにを聴きます。

冒頭からテンポの早いメロディーが流れ出します。演奏時間 2 分 28 秒。1948 年の録音。

ここに聴くエリーゼのために、はケンプらが弾くようなドイツ風の演奏ではありません。教科書的な要素は全くありません。ギーゼキングによって消化され、完全に解釈されて再構成されたエリーゼのためにです。

時に疾風の様に流れたかと思えば、グッとテンポを落としたり、美しい弱音で魅了したり。一曲の中に、沢山の顔を見ることができます。あれほど手垢のついた曲と思っていたエリーゼのためにが、多くの表情を持つことに驚くのではないでしょうか。そして、力強く続くパッセッージの中に飛び込んでくるピアニッシモ!

テンポが速すぎて受けつけない人もいるかもしれません。でも、このテンポに馴れたら、名演奏の一つと感じることでしょう。

残念なのは、この盤が廃盤なこと。どこか輸入盤でも良いので出してくれると紹介もしやすいのですが...

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好きなピアニストは? と聞かれれば、三人の名前を挙げます。ヴァルター・ギーゼキング、セルゲイ・ラフマニノフ、そしてジョルジュ・シフラ。

今回は、好きなピアニストからギーゼキングの演奏でバッハの平均律クラヴィーア全集を取り上げます。

ギーゼキングのバッハを一聴すると、その速いテンポに驚かされます。しかし、何度も聞いていると、速いテンポの中に独特のロマンティックな味わいが在ることに気づきます。

ロマンティックな平均律クラヴィーアと言えば、リヒテルの演奏が有名ですね。リヒテルの演奏の対抗馬としては、全く別スタイルのグールドの演奏も有名です。

ギーゼキングは、グールドの (スタッカートで区切る様な) 奏法とは別のチェンバロ的なピアノ演奏をしているように思います。チェンバロという楽器は、音が伸びませんから、本来バッハが目指していた「音」とはもっと短く、つまりペースの速いものであったと。そこに、現代ピアノのロマンティックさをリヒテルばりに詰めこんだ演奏。それがギーゼキングのバッハ演奏なのではないか? そんな風に考えながら、ギーゼキングの疾風の様な平均律クラヴィーアを聴いています。

※ファースト・チョイスにはお勧めできないモノですけどね。

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