疲れた時に聴く CD 第二弾。イーゴリ・キプニス指揮コネチカット古楽祭アンサンブルの演奏でヴィヴァルディの四季です。

古楽アンサンブルの軽さと、小難しい古楽演奏の排除がこの演奏の聴きどころでしょうか。ヴィヴァルディの古楽演奏は、当時の演奏スタイルの研究からテンポの取り方が随分と自由になりました。古楽演奏が始まる前は、意外とカッチリした演奏が多かったように思います。

ドイツ風のカッチリした演奏の代表盤にはミュンヒンガー盤。イタリア風の小規模演奏の代表盤には初期イ・ムジチ盤ですかね。

キプニス盤は、古楽風の小編成スタイルで、カッチリした演奏と古楽的な自由な演奏の中間にあるような演奏です。これが聞いていて、耳に心地良い。丁寧な演奏を心がけているけど、ミュンヒンガー盤のようなカッチリさはない。イ・ムジチ盤のような強い求心力もない。音楽を流すと、春風が流れこんでくる様なちょっと生温かくも、冬の厳しさから脱した爽やかさを味わうことのできる演奏です。