安宅の音楽日記

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メンデルスゾーンの交響曲 第3番 スコットランド。クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団、1967 年 2 月の録音です。レーベルはデッカ。アバドの追悼にちなんで、私が一番好きなアバドの演奏を聴きました。

アバドに後にドイツ・グラモフォンにメンデルスゾーンの交響曲全集を録音しています。好みは甲乙つけがたいところですが、思い入れの深さで旧盤のデッカ盤を聴きます。

メンデルスゾーンのスコットランド。3 番となっていますが、これは発表順で番号を付けたためで、作曲順からすると 5 番目。メンデルスゾーン最後の交響曲です。美しく牧歌的な第一楽章から始まり、第四楽章の盛り上がりまで、メンデルスゾーンの魅力がふんだんに盛り込まれた作品です。

アバドとロンドン交響楽団はこの曲を、美しく鳴らしすぎず、さりとて盛り上げすぎずに演奏します。中庸な演奏かもしれません。ベルリン・フィルのような完成度の高さはありません。各楽器が自由に楽しく歌い、合奏は一部荒々しく揃っていません。書いていて特出した良さがないように思えてきました。

それでも、私が一番好きなアバドの演奏はこのスコットランドなのです。中庸ながら音楽の本質を掴んでいる演奏。それを指揮者とオーケストラが一体になって体現している。その音楽性が私とちょうどマッチしているのでしょう。

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指揮者クラウディオ・アバドが亡くなりました。1933 年 6 月 26 日誕生、2014 年 1 月 20 日没。

アバドと言えば、ベルリン・フィルの第 5 代首席指揮者 (1990-2002) として有名です。ビューロー、ニキシュ、フルトヴェングラーそしてカラヤンという大指揮者がポストをしめていた地位にアバドは就いたわけです。

しかし、アバドのベルリン・フィル時代はかくも幸福だったように思えません。元々、オペラを得意とする人で、主なレパートリーにはベートーヴェンやモーツァルトといったベルリン・フィルの十パ番が入っていなかったのは大きかったように思います。また、ベルリン・フィル時代初期は、カラヤンの作り上げたオーケストラのサウンドとイメージに内外ともに振り回されていました。天下のベルリン・フィルを手兵に持つわけで、名盤を残さなかったわけではありませんが、その割合というか数は先のフルトヴェングラーやカラヤンより劣りました。

私の好みを言えば、ロンドン・フィルを振った演奏などが才気溢れていて好きです。アバドらしさが良く出ていました。カラヤン・クラスの大巨匠ではないですが、アバドらしい名演が生まれていた様に思います。あとは、ベルリン・フィルを辞めた後。自分が創設したオーケストラを中心に振っていますが、これが非常に充実した演奏でした。「脱皮した」という表現が当てはまりましょうか。

81 歳。短命ではありませんが、ベルリン・フィル以降の名演を思うともう十年長生きして欲しかった指揮者です。

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