このアルバムには、イエペス二度目の「アランフェス協奏曲」の録音が収録されています。ですが、今回はそれを脇に置いて、ロドリーゴのマドリガル協奏曲を取り上げます。ライナー・ノートによると、1966 年作曲。ロメロ・ファミリーに献呈とのこと。

マドリガル協奏曲は 2 台のギターのための協奏曲です。ギターはナルシソ・イエペスとゴドリーヴ・モンダン (Godelieve Monden) が担当。ガルシア・ナバロによる指揮で、オーケストラはフィルハーモニア管弦楽団。録音は 1979 年 4 月です。

9 つの楽章に分かれていて、一つ一つの楽章でクルクルと見た目を変えます。チャイコフスキーの「くるみ割り人形」組曲を連想させる感じです。どの曲も情緒あふれ、楽しませてくれます。

その中でもお気に入りは 8 曲目。この協奏曲の中でも二番目に長い 6 分程の曲です。実はこの楽章、クリストファー・リーが枢機卿役を演じた映画「三銃士」の中で、急ぎ馬でかけるシーンに使われました。当に馬が駈けるごとく疾走感あふれる曲として好きな曲です。

惜しむらくは、「二台ギター」という編成のためでしょうか? 録音が少ないことです。