先日、オーディオ・ショップに行ったところマリア・ジョアオ・ピリスの弾くモーツァルトがかかっていました。ピアノ・ソナタ 第8番 (第9番?) K.310 (300d)。1974 年、東京はイイノ・ホールにおける録音です。音がフォルテ・ピアノっぽく聴こえたので、オヤッと思い自宅で聴いてみました。

記録によると、録音当時、ピリスは 29 歳。使っているピアノは何でしょう。ピリスは現在でこそ、ヤマハのピアノ弾きとして有名ですが、当時もヤマハだったのでしょうか? それとも、大勢のピアニストと思じようにスタンウェイを弾いていたのでしょうか? 少くとも録音を聴くだけでは、ヤマハかスタンウェイかそれとも別のピアノなのか、私には判断できませんでした (ムムム)。

音楽に耳を傾けてみましょう。モーツァルトらしさから一歩外れた演奏です。テンポの変化、音量の変化は他のピアニストと同じように付けています。標準的と言えるでしょう。美しい音色も文句ありません。それでも、何かが別と感じます。何と言えば良いんでょう。軽い? そう軽いというのが一番しっくりくるかもしれません。音楽がフワリと軽くなっている様に聴こえる不思議な演奏です。