ベートーヴェンのエリーゼのためにを聴きます。ピアニストはエリソ・ボルクヴァゼ (Elisso Bolkvadze)。CD ではなく MP3 です。Amazon の MP3 ミュージックにて 100 円で購入しました (CD が見つからなかったので)。

きっかけは松本大輔の「クラシックは死なない!」。とにかく遅い演奏として紹介されていました。その演奏時間 4 分 21 秒。当ブログで紹介した「エリーゼのために」の演奏時間を挙げてみます:

  • 3 分 03 秒: シュナーベル (1932)
  • 2 分 28 秒: ギーゼキング (1948)
  • 3 分 16 秒: リシッツァ (2012)

ギーゼキングの 2 分 28 秒は別格として、シュナーベルやリシッツァの演奏は 3 分台。比べてボルクヴァゼの演奏は 4 分 21 秒。圧倒的に遅いのが分かります。

ボルクヴァゼの演奏は遅いとはいえ、手を抜いているわけではありません。ペースは遅いものですが、ちゃんとテンポの上がる所はテンポを上げます。音の強弱も、ピアノの響きもちゃんとコントロールされています。曲のクライマックスに向けて盛り上がります。ですから、聴いていて曲がダレません。遅いなりに、演奏の構成がしっかりしているのです。

ボルグヴァゼの演奏の素晴らしさは、彼女の構成力の高さに寄っているのでしょう。エリーゼのためにのようなポピュラーで短い曲でもこのように高い構成力を示すのですから、他の曲でどんな演奏をするのか期待します。彼女の CD がもっと手軽に手に入ると嬉しいです。

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