ブラームスのヴァイオリン・ソナタと言えば、ベートーヴェンのいくつかのヴァイオリン・ソナタ、もしくはフランクの唯一のヴァイオリン・ソナタと並ぶ名曲です。今日は第 3 番をヴォルフガング・シュナイダーハンのヴァイオリン、カール・ゼーマンのピアノで聴いてみます。録音は 1957 年 11 月です。

シュナイダーハンのヴァイオリンの音はどちらかと言えば武骨でしょうか。例えば第二楽章の冒頭などを聴くともう少し柔らかく演奏できないものか? と思います。一方でクライスラーの演奏に聴く様な繊細な高音も聴かせてくれます。

この CD の聴き所は、シュナイダーハンとゼーマンの呼吸でしょう。お互いが抜群のサポートをしていて、ヴァイオリン・ソナタという演目の音楽性を数段上に引き上げています。息の合ったヴァイオリン・ソナタの演奏を聴くのは楽しいものです。